ニマ・アフシャール(Nima Afshar)(米)


ワンポイント: 2009年に研究公正局が改ざんとした女性ポスドクの事件

【概略】
imagesニマ・アフシャール(Nima Afshar、顔写真未発見。女性科学者マンガ出典)は、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)・ポスドクで、医師ではない。専門は分子生物学(酵母のDNA複製開始)で、主宰研究者はヨアヒム・リー(Joachim Li)準教授だった。

2006年(27歳?)?、出版前の論文原稿に不正が発覚した。

2009年2月18日(30歳?)、研究公正局がアフシャールにデータ改ざんがあったと発表した。締め出し期間は標準の3年間を科した。

この事件の詳細は不明です。

アフシャール(Afshar)という姓は、かつて中央アジアの北部を支配したオグズの一族で、現代のトルクメン人やアゼルバイジャン人である。本記事のニマ・アフシャールはそういう地域(イラン?)出身だと思われる。

なお、本記事のニマ・アフシャール(Nima Afshar)は女性であり、医師ではないが、同姓同名でカリフォルニア大学サンフランシスコ校の男性医師がいる。この人も生命科学系の学術論文を書いている。ややこしい。

本記事のニマ・アフシャールの情報は、遡って削除されたらしく、情報が得にくい。

University_of_California_San_Francisco_School_of_Medicine_UCSF_5655751カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)。写真出典

  • 国:米国
  • 成長国:イラン?
  • 研究博士号(PhD)取得:バージニア大学
  • 男女:女性
  • 生年月日:不明。仮に1979年1月1日とする
  • 現在の年齢:38歳?
  • 分野:分子生物学
  • 最初の不正論文:2006年(27歳?)?
  • 発覚年:2006年(27歳?)?
  • 発覚時地位:カリフォルニア大学サンフランシスコ校・ポスドク
  • 発覚:内部公益通報
  • 調査:①カリフォルニア大学サンフランシスコ校・調査委員会。②研究公正局。~2009年2月18日
  • 不正:改ざん
  • 不正論文数:1報。未出版
  • 時期:研究キャリアの初期から
  • 結末:辞職

【経歴と経過】

  • 生年月日:不明。仮に1979年1月1日とする
  • bmph_jpg2006年(27歳?)?:米国・バージニア大学(University of Virginia)で研究博士号(PhD)を取得した。生化学・分子遺伝学。指導教授はブライス・パスカル(Bryce M. Paschal、写真出典
  • 2006年(27歳?)?:カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)・ポスドク。ボスはヨアヒム・リー(Joachim Li)準教授。
  • 2006年(27歳?)?:不正研究が発覚する
  • 2007年(28歳?)?:カリフォルニア大学サンフランシスコ校がアフシャールの不正を発表
  • 2007年(28歳?)?:カリフォルニア大学サンフランシスコ校から解雇
  • 2008年11月(29歳?):カイザー・パーマネンテ病院(Kaiser Permanente Medical Center)所属の論文を発表
  • 2009年2月18日(30歳?):研究公正局が改ざんと発表

【不正発覚の経緯と内容】

li[1]_02006年頃(27歳?)(?)、ニマ・アフシャール(Nima Afshar)は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のヨアヒム・リー(Joachim Li、写真出典)準教授のポスドクになった。

リー研究室で、酵母のDNA複製開始の分子メカニズムの研究をしているとき、マイクロアレイ・スキャンのデータを改ざんした。

研究室共通のパソコンに研究室主要なデータがストックしてある。複製が再開されたことを示す遺伝子増幅があったように見せるため、別の研究者のマイクロアレイ・スキャン画像を取り出し、改ざんし、自分の論文原稿に使用した。合計、36個のデータ・ファイルを偽造した。

これら論文原稿は論文として出版される前に、改ざんが発覚した。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校が調査し、次いで、研究公正局が調査した。白楽は、このあたりの情報がほとんど入手できなかった。

blackベン・ブラック(Ben E. Black、ペンシルヴァニア大学準教授、写真出典)は、バージニア大学のパスカル研究室でアフシャールと机を並べて一緒に研究した仲である。2004年と2005年にアフシャールと共著の論文がある(パスカルとも共著)。

ベン・ブラックは、「とても驚いた。私の経験では、アフシャールは、実験を真面目に実行し、正しいデータがまともに得られるまで辛抱強く何度も繰り返すタイプだった。データを改ざんする人間像と自分の中の彼女の人間像が相いれない」と述べている。

2009年2月18日(30歳?)、研究公正局が改ざんと発表した。

【論文数と撤回論文】

2016年4月10日現在、パブメド(PubMed)で、ニマ・アフシャール(Nima Afshar)の論文を「Nima Afshar [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2004~2012年の9年間の5論文がヒットした。

2016年4月10日現在、撤回論文は1報もなかった。

【事件の深堀】

★2009年2月に論文発表:共著者のクロシュ・アフシャール(Kourosh Afshar)は誰?
2009年2月の以下の論文は、研究公正局が改ざんと発表したのが2009年2月18日だから、すでにデータ改ざんが既知の状態だったと思われる。

当記事のニマ・アフシャール(Nima Afshar)が第1著者で、所属はカリフォルニア大学サンフランシスコ校だが、第3著者にアフシャール(Afshar)姓の人がいる。アフシャール(Afshar)姓は米国では珍しいので、家族か親族だろう。

Kourosh Afsharこの人はクロシュ・アフシャール(Kourosh Afshar、写真出典)で、カナダのブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)の泌尿器科・助教授である。

ニマ・アフシャール(Nima Afshar)のご主人なのか? 兄なのか? 赤の他人なのか? わかりませ~ん。

★2012年には医師?

ニマ・アフシャール(Nima Afshar)は、2012年の以下の論文で、所属がサンフランシスコ退役軍人局病院(VA Hospital, 4150 Clement St., San Francisco)で、医師になっている。

2007年(28歳?)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校から解雇された。その後、臨床医を目指し、実際に臨床医になったと思われる。

【白楽の感想】

《1》詳細は不明

以下、別の記事にも書いたのと同じ文言です。

この事件の詳細は不明です。

どうしてねつ造をしたのか? どう発覚したのか? 研究機関はどんな改善策を施したのか? 事例分析し、研究ネカトシステムの改善につながる点、学べる点は何か?

全くわかりません。

ブログでは、比較的、情報が得られる事件を解説しているが、実は、この事件のように、詳細が不明なことが多い。事件が報道された時点では、もっと情報があったと思われるが、適切に分析し記録を残さないと霧散してしまう。

【主要情報源】
① 2009年2月18日、研究公正局の報告:NOT-OD-09-053: Findings of Research Misconduct保存版
② 2009年2月16日のエリー・ドルジン(Elie Dolgin)の「Scientist Magazine」記事:Images faked by UCSF postdoc | The Scientist Magazine®保存版
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

本記事のニマ・アフシャール(Nima Afshar)は女性であり、事件発覚時は医師ではないが、同姓同名でカリフォルニア大学サンフランシスコ校の男性医師のニマ・アフシャール(Nima Afshar)がいる。以下の人である。
Nima-Afshar写真出典

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